入院日記⑦ 能力を獲得する喜び
自力で何もできないというのは、不安であった。
起きられない。
物が取れない。
食べられない。
トイレに行けない。
ここまで来ると
「放っておかれると死ぬ」って思うわけで
助けを乞うしかなくなる。
そんな中で、やはりどうしても
トイレに行きたくなって
「最悪オムツか…?」
と覚悟を決めかけていた。
その時、極近いトイレにでも、
車椅子のサポートをしてくれることがわかり、
痛みを我慢しながらだけど
トイレで自分で排便することが出来た時、
どれだけ嬉しかったことか。
服にこぼしながらも、食事が出来た時、
どれだけ嬉しかったことか。
座って、立って、歩けた時、どれだけ安堵したことか。
自らの姿が、日々成長する赤ちゃんと重なったり、しんどそうにしてるじいちゃんと重なったり。
「自立して生きる」ということが、
どれだけ難しいことか。
当たり前のように日々は過ぎてきたけど、
それがどれだけの奇跡に支えられているのか。
当たり前に身体が動くことに感謝。
能力を獲得するのは嬉しい。