僕はこの日、「あ。僕は生かされたんだ。」って直感した。
とてつもない数の人生が終わり、
とてつもない数の人生の進路が激変した。
かたや僕は、何のハンデもなく人生を全うできている。
このことが、なんと豊かなことであろうか。
「社会全体のバランスを取る」みたいな感覚なんだろうか?
命を燃やして、これまでの何倍も濃く生きなければならない。
そう直感した。
僕は毎年、この日に人生を振り返る。
ちゃんと生きてるか?
またあのようなことが起きた時に大切な人の命を守るだけの力をつけられているか?
または、あのようなリスクの少ない選択をできているか?
原発事故により明るみになった社会の構造の無理を変えるための歩みを、確かに進められているのか?
僕はあと20日で、ただの一人の人間に戻る。
僕は"時代"という、大きな矛盾を抱えて生きている。
その渦の中でどうやってサーフィンするか?
サバイブするか?
そして、より多くの命と共に在ることができるか?