塾長鍼灸師のあたまの中。

ここだけの話。

Life is surfing.

深くため息をつく。
僕は、作文が一向にまとまらず、悩みに悩んでいるうち、遂に匙を投げてしまった。
書きたいことは山ほどあるのに、まとまらない。
もどかしい。
Life is surfing.
頭の中に沸き立つ景色。
 
一日家から出られなかったから、二人で海を見に行った、台風の過ぎた夜。
立ち入り禁止の手すりを超えて、僕たちと真っ暗な海を、遮るものは何も無かった。
「怖い。」
「落ちたらどうなるんやろな。泳いで帰ってこれるんかな。」
「やめてよ、そんなこと言うの。」
恐怖をあおるように冗談を言いながら、何も考えずに真っ暗な海を眺める。
近くにある工場からの煙が、雲のように流れて、速い。
自由に泳ぐ波を見ていると、自分の地面まで揺らいでいるように感じてくる。
確かだと思って立っている地面だって、地球表面の3割に過ぎない。
そう考えると、僕たちの今の生活での悩みや、こだわっていることも、全て捨てたって生きていける気がした。
 
こだわりを捨てて、海底まで降りてきたら、やっぱり確かな地面があって驚く。
 
自分の中へ、深く深く潜っていく。
 
サーフィンをしてみたいと思って、早3年が経つ。
「時代の波に乗る」とか言う直喩があるけど、それを体感として知っていたら、波に乗り始める感覚とか、乗り続けるためのコツとか、乗り捨てるべき波の特徴とか、そんなものがわかるんじゃないかなって、頭の中だけでぐるぐる考えている。
 
僕たちは、仮初めのぬるま湯で、実は荒波の中に生きている。
 
「確かなもの」を求めて必死に杭を打ち込んだって、結局そこは底の見えない海。どんどん状況は変わって、結局流されてしまう。
だったら、沸き立つ波のエネルギーだって背に受けて、進んで行けた方が楽しいんじゃん。

Life is surfing.
そう言ってまた、今日も荒波に揉まれに行くんだ。