塾長鍼灸師のあたまの中。

ここだけの話。

違反金9,000円の意味

「なんでこんなに頑張っているのに、報われず、認められずに、

こんな最悪なことが起こるんだろう?」

いつも通り、神戸から篠山へ車で移動している時だった。

 

「ウゥーーーーン」と、パトカーが唸る。

 

信号無視だった。

 

「あれは、完全に”赤”でしたよね。」

半ば自覚があった。
素直に「はい。」と答える。

 

(なぜパトカーがいることに気付かなかったんだろう…)

そんな後悔が立ち込めてきた。

 

パトカーの中、違反にかかる手続きを、半ば放心状態で済ませながら、色んなことを考えた。

 

「なんでこんなに社会に貢献する俺が、捕まらないといけない??」

・・・傲慢だな、と自分を恥じた。

 

振り返れば、さっきまでの僕は、焦る気持ちが強かった。

今通っている専門学校に、仕事に次ぐ仕事。

一分でも早く現場に着きたいと感じている自分に気づくことができた。

 

「じゃあ、今回の違反金は9000円になります。」

 

この話を聞く頃には、僕はだいぶ冷静さを取り戻していた。

(相当疲れているんだな、俺は。)

そう思いながら、また車を走らせ始めた。

 

この9000円というお金を、どう捉えるか、人それぞれだろう。

僕はこのお金のことを考える中で、ある言葉が思い浮かんだ。

 

「しゃべれない神様は、僕に何に気付けろって言いたかったんだろう?」

 

ぐるぐると頭が回る。

 

 

「あっ」と思った。

 

 

知り合いが起こした事故の数々を思い出す。

みんな苦虫を嚙み潰したような顔をしていたな…

 

「事故を起こす前でよかった。」

素直にそう思えた。

 

あのまま疲れて調子に乗った運転をしていたら、

その先には破滅しかなかったんじゃないか。

それに気付かせてくれるきっかけだったんじゃないか。

 

そう思うと、この9000円は、とても安いものに感じ始めた。

そして「これは無駄金なんかじゃなく、事故を起こさないための投資だ」

とも感じ始めた。

 

ありがとう。ありがとう。

 

命があってよかった。